HOME > 埼玉県予防接種センターだより(No 2020-06)
2020年5月29日 プレベナー13(R)水性懸濁注(一般名:沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)の新たな適応として、肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者に対する「肺炎球菌(血清型:1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F および23F)による感染症の予防」が追加されました。
今回の適応追加により、小児並びに高齢者に限らず、肺炎球菌(血清型:同)による疾患に罹患するリスクが高い方にも接種が可能となります。
肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者とは、以下のような状態の者があげられています。
慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患又は腎疾患 糖尿病 基礎疾患若しくは治療により免疫不全状態である又はその状態が疑われる者 先天的又は後天的無脾症(無脾症候群、脾臓摘出術を受けた者)鎌状赤血球症又はその他の異常ヘモグロビン症 人工内耳の装用、慢性髄液漏等の解剖学的要因により生体防御機能が低下した者 上記以外で医師が本剤の接種を必要と認めた者
皮内注射ではなく、筋肉内に注射となっていますのでご注意ください。
野生型ポリオウイルス(WPV)は西太平洋地域では2002年に根絶が宣言されていますが、低い接種率に関連して生じるワクチン由来株(VDPV)の1・2型が、2019年より西太平洋地域で流行しています。
2019年9月にフィリピンでポリオの発生が報告されて以降、フィリピン/マレーシアではそれぞれ2019年には15/3例、2020年は4月時点で1/1例のポリオ症例の報告があります。
急性弛緩性麻痺の症状のある患者さんを観た際は、フィリピンなど、ポリオ流行国への渡航歴を聞いた上で、ポリオの検査をご検討ください。
必要に応じて、ポリオや急性弛緩性麻痺の届出の徹底もお願いします。
なお、フィリピンを含め、ポリオが発生している国に4週間以上の長期滞在を予定している方は、渡航前の追加接種が世界保健機関より推奨されています。
特に、1975年から1977年生まれの方はポリオに対する免疫が低いことが分かっており、この世代の方に対しては追加接種が強く推奨されます。
また、定期接種(四種混合)を終えてない方や、これまでに一度もポリオの予防接種を受けたことがない方は、長期滞在しない場合であっても、渡航前に予防接種を受けて頂くことが推奨されます。
以上の情報は厚労省の感染症エクスプレスなどを参考にしています。
行政・法律の問い合わせ先
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埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1
埼玉県保健医療部疾病対策課
感染症・新型インフルエンザ対策担当
TEL: 048-830-3572 ,3557 FAX: 048-830-4809
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文責・市町村予防接種担当者・医療機関向け医療保健相談
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埼玉県さいたま市岩槻区馬込2100 埼玉県立小児医療センター内
埼玉県予防接種センター長 川野 豊(予防接種医療相談)
TEL:048‐601-2200 FAX:048‐601-2201
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