HOME > 埼玉県予防接種センターだより(No 2014-7)
6月24日に第17 回 厚生労働省新型インフルエンザ専門家会議を開催し、同会議ワクチン作業班で取りまとめられたH7N9ワクチンの臨床試験の実施の方針について、下記のとおり了承されました。
○H7N9 鶏卵培養ワクチン(不活化全粒子ワクチン)による臨床試験を実施する。
○H5N1を含めた複数の亜型への対応を想定したプロトタイプワクチン(※) として承認を取得した細胞培養ワクチン等による非臨床試験及び臨床研究を実施する。
※プロトタイプワクチン:インフルエンザの大流行(パンデミック)に備えてあらかじめモデルとなるウイルスで免疫原性や安全性を確認しておき、大流行時には迅速に製造するよう準備をされたワクチン
今後、早ければ7月末にも臨床試験を開始する予定です。
<第17 回 厚生労働省新型インフルエンザ専門家会議資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000049144.html
それぞれのワクチン製剤について作成されております。
ワクチン名、予防する疾患、接種対象年齢などから検索することが可能です。
医療関係者向け
http://www.info.pmda.go.jp/guide_iyaku/search_vaccine.html
一般の皆様向け
http://www.info.pmda.go.jp/guide_ippan/search_vaccine.html
7月4日に第10回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会を薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会と合同で開催しました。
子宮頸がん予防ワクチンについて、平成26年3月末までの副反応報告を基に審議が行われました。
合同会議では、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギラン・バレー症候群等、明確に診断できる特定の疾患について、安全性への懸念は認められないと評価されました。
また、機能性身体症状(心身の反応)について専門家からヒアリングを実施しました。機能性身体症状は様々な要因の影響を受けること、心身両面からの適切な治療で回復すること、不用意に「心の問題」などと説明しないよう注意が必要であることなどの意見がありました。
加えて、現在でも接種自体は続いているため、医療機関及び被接種者に対し、接種に当たっての注意事項、症状が出た際の医療体制等について情報提供を行うこととされました。現在中止している積極的勧奨の取り扱いについては、継続審議となりました。
<第10回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000050385.html
今回は本年6月20日と7月4日に新たに薬事法の承認が得られた3ワクチンを定期の予防接種に位置づけるか等、取扱いについて審議が行われました。
①高齢者に対する肺炎球菌による感染症の予防の効能・効果が追加承認された沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー13」は、定期接種で使用することの是非について今後検討を行うことが了承され、ワクチンの有効性・安全性及び費用対効果等についてデータを収集し、評価及び検討を行うこととされました。
②4価髄膜炎菌ワクチン(ジフテリアトキソイド結合体)「メナクトラ」は、現時点の疫学情報を踏まえると、定期接種として接種する必要性は必ずしも高くなく、現時点では定期接種として取り扱わないことが妥当とされました。
③沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(ソークワクチン)混合ワクチン「スクエアキッズ」は、定期の予防接種に使用可能なワクチンとして了承されました。
また、「平成24年度予防接種実施率について」や「平成25年度予防接種事故報告
について」なども報告されました。
<第10回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000051463.html
定点当たりの報告数で2週以上連続で増加している疾患は見られませんが、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は、過去5年間の同時期と比較してやや多くなっています。
IDWR(感染症発生動向調査 週報)2014年第24週(第24号)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl.html
特集は「RSウイルス感染症 2014年5月現在」です。RSV感染症患者の発生動向、RSV等の呼吸器ウイルス検出状況、今後の課題などの他、特集関連情報などについてまとめられています。
IASR(病原微生物検出情報 月報)2014年6月号
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html
http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/idwr/diseases/measles/…
の最初のグラフをご覧ください。
未接種未罹患の方の発症が多いこと、10歳未満と20-30代が多いのは今年の特徴の一つです。最近は遺伝子型D8の麻疹ウイルスが多く検出されているようです。
http://www.nih.go.jp/niid/images/iasr/rapid/meas/140624/…
咽頭結膜熱、RSウイルス感染症の定点当たり報告数が増加しています。手足口病、ヘルパンギーナの定点当たり報告数も増加が続いています。
また近年増加傾向にあるレジオネラ症は、例年7月にピークがみられることから、今後注目すべき感染症と言えます。
IDWR(感染症発生動向調査 週報)2014年第25週(第25号)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl.html
腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症報告数は、第25週以降、例年を上回る報告数が続いています。
RSウイルス感染症、手足口病、百日咳、ヘルパンギーナの定点当たり報告数が増加しました。
IDWR(感染症発生動向調査 週報)2014年第27週(第27号)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl.html
以上の情報は厚労省の感染症エクスプレスなどを参考にしています。
行政・法律の問い合わせ先
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埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1
埼玉県保健医療部疾病対策課
感染症・新型インフルエンザ対策担当
TEL: 048-830-3572 ,3557 FAX: 048-830-4809
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文責・市町村予防接種担当者・医療機関向け医療保健相談
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埼玉県さいたま市岩槻区馬込2100 埼玉県立小児医療センター内
埼玉県予防接種センター長 川野 豊(予防接種医療相談)
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