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埼玉県予防接種センターだより (No 2013-09)

◆予防接種情報

◆プレベナー13
11月より小児用肺炎球菌ワクチンを沈降13価肺炎球菌結合型ワクチンに変更します
 定期接種に用いる小児用肺炎球菌ワクチンが、改正省令の公布により平成25年11月1日より沈降13価肺炎球菌結合型ワクチンに変更されることが決まりました。
 切替えに伴う情報については、厚生労働省ホームページ「小児肺炎球菌ワクチンの切替えに関するQ&A」(下記URL)をご覧下さい。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-…

関連情報:
「予防接種法施行規則及び予防接種実施規則の一部を改正する省令の施行等について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-…

「予防接種法施行規則等の一部を改正する省令案に関する意見募集に対して寄せられたご意見等について」
http://search.e-gov.go.jp/servlet/…

◆ロタ、3混ワクチン
 米国家庭医学会(AAFP)は6月24日、予防接種に関する最近の問題について、米国疾病対策センター(CDC)の内部機関である予防接種実施に関する諮問委員会(ACIP)での議論を紹介した。
 議題の一つは、ロタウイルスワクチン接種を受けた小児の腸重積リスク上昇について。ワクチン接種後の腸重積の発症は、接種を受けた小児では10万人当たり0.7-5.4人増加すると推定される。しかし、ワクチン接種により死亡、入院、救急外来受診に至る腸重積患児が1人発生する事例に対して、ロタウイルス感染による死亡を免れる患児は100人、入院を免れる患児は1000人、救急外来受診を免れる患児は1万人と推定され、ロタウイルスワクチンの利益は明らかに大きいと報告。CDCはワクチン接種を強く勧めている。

 また、2012年に発生した百日咳患者数が1955年以来最大の約4万2000人に達したのを受けて、ACIPは無細胞ワクチンを用いた3種混合ワクチン(Tdap)使用の見直しについても話し合った。最近の研究によると、思春期児童に対するTdapの有効性は、接種後4年で急激に減衰する。そのためACIPの百日咳に関する作業部会は、青少年と成人に対する追加免疫には、妊婦を除きTdapを使わず、代わりに破傷風ジフテリアトキソイド(Td)の使用を勧めている。

◆HPVワクチン
 米国家庭医学会(AAFP)は8月2日、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)の7月26日付週刊疾病率死亡率報告(www.cdc.gov)から、2012年の若年女子のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種率が横ばいであることを紹介した。
 HPVワクチンの1回接種率は2007年から2011年では25.1%から53%と増加しているが、2012年は53.8%で前年とほぼ同じであった。また、全3回接種率が80%に増加すれば12歳以上の生存期間中に推定5万3000人の子宮頸癌が予防でき、毎年接種率が増加しなければ、4400人が子宮頸癌を発症するとの見解もある。
 7月25日の記者会見でCDC所長Tom Friedenは、「問題なのは、2012年に
3回接種を完了した女子が33.4%と、前年の33.8%より減少していること」「2、3回目のHPVワクチンを機会を逃さず確実に接種できるように医者が他のワクチン同様推奨するべき」「ワクチンが分別のないセックスにつながるという親の心配があるが、ワクチンを接種した若者がワクチンを接種していない若者よりセックス経験が早いということはない。HPVワクチンはセックスの道を開くのではなく、癌の道を閉ざす」という内容を述べた。

◆出生児HBVワクチン
 米国家庭医学会(AAFP)は7月23日、乳児のB型肝炎予防接種実施に関する新たなガイドブックにB型肝炎ワクチンの「出生時接種」に関する勧告が記載されたことを発表した。
 出生時接種は、予防接種実施連合(IAC)が推し進めており、AAFP、予防接種諮問委員会、米国小児科学会、および米国産科婦人科学会が支援。
 IACによれば、退院前の新生児にB型肝炎ワクチンを接種することで「感染している母親、家族、子どもの世話をする人との接触があっても子どもがB型肝炎に感染したり慢性B型肝炎感染へ進行したりするのを阻止するセーフティネット」を築く第一歩となる。
 National Immunization Survey(NIS)により2011年に提供されたデータによれば、新生児の3人に1人がB型肝炎ワクチン未接種のまま退院していること、および、州により接種率に差があることが示されている。
 本ガイドブックは、全新生児に対するB型肝炎予防プロトコールを盛り込んだポリシーが文書化されていない病院への情報提供を意図する。
 IACはガイドブック発表に際して次のように述べた。「ガイドブックの情報には、周産期B型肝炎伝播の背景情報および両親や医療従事者への啓蒙的材料が含まれている。これにより、病院はポリシーを作成し、全ての新生児に対する医療管理の一環としてB型肝炎ワクチンを入院要項に盛り込むことができる」。

◆ 感染症情報
【風しん】
◆風しんの2013年第34週(2013年8月19日~8月25日)の速報データを9月3日に公表しました
 風しんの第34週の報告数は68例であり、平成25年の累計の報告数は13,846例となりました。
 また、東京都から先天性風しん症候群が1例報告され、平成24年10月から平成25年8月25日までの累計の報告数は17例(平成25年に12例)となりました。
 第34週の都道府県別の報告数は、大阪府(23)、東京都(12)、神奈川県(6)、京都府(5)の順であり、近畿地方や関東地方を中心に都市部での報告が多く見られます。
 全国の風しん報告数は、減少傾向にありますが、地域的な流行には引き続き注意
が必要です。

 MRワクチンの供給量については、5月、6月の任意の予防接種者数の急激な増加により、今夏以降にMRワクチンが一時的に不足する恐れがありましたが、関係者による前倒し出荷・増産等の対応や任意の予防接種者数の減少等により、全国的な不足は回避できる見込みです。
 平成25年6月~8月にかけて、効果的な先天性風しん症候群の発生の予防のため、任意の予防接種について、妊婦の夫、子ども及びその他の同居家族などの、妊婦の周囲の方、10代後半から40代の女性(特に、妊娠希望者又は妊娠する可能性の高い方)が優先して接種を実施できるよう、呼びかけていましたが、9月時点で、多くの地域でそのような特段の配慮は必要ない状況となりま
した。
 ご協力いただきました皆様に御礼申し上げます。

<風しんについて(厚生労働省)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou…

■国内の感染症発生状況
◆IDWR(感染症発生動向調査 週報)2013年第32週(第32号)(2013年8月23日発行)

 手足口病の定点当たりの報告数は2週連続で減少しましたが、過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっています。その他、RSウイルス感染症の報告数の増加が8週連続で続いています。

http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl.html

【結核】
◆9月24日~30日は結核予防週間です〈第1弾:発生動向と高齢者の結核〉
      それ
      。 。 。
「二の腕の 。 。 。って、結核の予防だったんだ。」
      。 。 。

 厚生労働省では、9月24~30日を結核予防週間とし、広く国民の皆様に、結核についての正しい知識を深めていただく期間としています。
 結核は過去の病気と思われがちですが、いまだ年間2万人を超える新規患者が発生している、わが国における主要な感染症です。
 近年では、結核患者の高齢化が進んでおり、新登録結核患者の半数以上は70歳以上の高齢者が占めています。高齢者の結核の多くは、若い頃に感染し現在発症したものであり、今後もその割合は増えていくことが予想されます。
 高齢者は他の疾患を合併していることも多く、結核の症状に気付かれにくい事などから、発見の遅れも問題となります。高齢者の結核の早めの発見と適切な治療が、対策上の重要な課題の一つとなっています。
 わが国の結核の発生動向については、結核登録情報調査年報集計結果をご参照ください。

<厚生労働省 政策について 結核>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/…
<平成23年 結核登録者情報調査年報集計結果(概況)>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansen…
<財団法人 結核予防会 結核研究所 疫学情報センター>
http://www.jata.or.jp/rit/ekigaku/

■海外の感染症発生状況
【サルモネラ症】
◆カメ等の爬虫類を原因とするサルモネラ症について(情報提供)
 今般、米国から、2011 年5 月以降、主に乳児を含む子どもがカメに触ったことを原因とするサルモネラ症の集団発生が、米国内で広域的に繰り返し発生しているとの情報提供がありました。

 カメ等の爬虫類については、国内外を問わず、多くのもの(50~90%)がサルモネラ属菌を保有しています。人がこれらの動物との接触を通じてサルモネラに感染すると、胃腸炎症状を起こしたり、まれに菌血症や髄膜炎等の重篤な症状を引き起こす場合があることが知られており、特に、新生児や乳児、高齢者等、免疫機能の低い人では重症化しやすく、注意が必要です。

 当情報を受けまして、厚生労働省では、自治体あてに情報提供を行うとともに、Q&Aの情報を更新しました。

〈カメ等のハ虫類を原因とするサルモネラ症に係る注意喚起について(事務連絡)〉
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-…

〈ミドリガメ等のハ虫類の取扱いQ&A〉
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-…

各医療機関におかれましても、本感染症に関する情報提供及び注意喚起に御協力をお願いします。

〈サルモネラ症について(動物由来感染症)〉
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-…

以上の情報は厚労省の感染症エクスプレスなどを参考にしています。




行政・法律の問い合わせ先
☆~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1
 埼玉県保健医療部疾病対策課
 感染症・新型インフルエンザ対策担当
 TEL: 048-830-3572 ,3557 FAX: 048-830-4809
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文責・市町村予防接種担当者・医療機関向け医療保健相談
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埼玉県さいたま市岩槻区馬込2100 埼玉県立小児医療センター内
 埼玉県予防接種センター長  川野 豊(予防接種医療相談)
 TEL:048-758-1811  FAX:048-758-2626
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