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埼玉県予防接種センターだより (No 2017-06)

◎予防接種情報◎

最近の麻疹の流行における日本小児科学会の見解について

2016年8月以降、国内で麻疹患者の報告数が増えております。
今回の患者の多くは、ワクチン未接種者あるいは接種歴不明者です。
小児において、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)の定期接種の対象は、1歳児(第1期)と小学校入学前1年間の児(第2期)です。ワクチン接種時期に達した児、ならびに接種時期を過ぎても未接種の児には、速やかにワクチン接種を行いましょう。

◎感染症情報◎ 〜 国内の感染症発生状況 〜

IDWR 2017年第20週(第20号)(2017年6月2日)

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点医療機関当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多くなっています。

また、咽頭結膜熱、水痘の定点医療機関当たり報告数は減少しましたが、感染性胃腸炎、手足口病、流行性耳下腺炎の定点医療機関当たり報告数が増加しています。


<IDWR 感染症発生動向調査週報>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2017.html

全国の定点医療機関当たり報告数は0.42~インフルエンザの発生状況を公表しました(2017年6月9日)

2017年第21週(5月29日~6月4日)のデータを公表しました。
全国の定点医療機関当たり報告数は0.42となり、前週の0.68から減少しました。なお、今シーズンのインフルエンザ発生状況の定期的な公表は、今週で終了します。

来シーズン(2017/2018シーズン)の公表は、今年9月からの開始を予定しています。


<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/k

咽頭結膜熱が急増しています

咽頭結膜熱は、アデノウイルスによる発熱、咽頭炎、結膜炎などをおこす子供に多い急性ウイルス性感染症です。以前はプールを介して感染することもあったことからプール熱とも呼ばれます。咽頭結膜熱は毎年夏に流行しますが、報告数は前週に引き続き増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっています。
予防のために、十分な手洗いを行い、タオルの共有は避けましょう。

<咽頭結膜熱について>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou17/01.html


<国立感染症研究所:咽頭結膜熱とは>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/adeno-pfc.html

◎感染症情報◎ 〜 海外の感染症発生状況 〜

コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しました

2016年4月22日以降、コンゴ民主共和国(旧ザイール)において8回目のエボラ出血熱の発生がありました。首都キンシャサから1,300km北東の中央アフリカとの国境付近のバ・ズエレ州で、エボラ出血熱が疑われる20人のうち3人が死亡しています(5月18日現在)。


渡航制限など特段の措置は必要ありません。検疫や国内での対応強化等のため注意喚起を行っています。治安上の問題からバ・ズエレ州の一部などに退避勧告がでていますので、渡航に際しては外務省海外安全WEBサイトなどを参考に十分気をつけてください。

内戦が続く中東のイエメンの首都サヌアを中心に、コレラが感染拡大しています

情報によりますと、コレラに感染した疑いの方々が1万名以上、うち死亡者が180名あまりとのことです。
また、2017年(平成29年)4月22日以降、コンゴ民主共和国(旧ザイール)北東部のバ・ズエレ州で、エボラ出血熱が疑われる患者が20名発生し、うち3名が死亡。
この死亡者3名のうち1名から、生存者17名のうち1名からエボラウイルスが検出されました(5月18日現在)。

厚生労働省では、海外でおきたこうしたアウトブレイクについて、WHOなどから情報を収集し、WEBサイトや広報、検疫所などを通じて、広く情報提供に努めているところです。

高速交通体系が整備されている現在、こうした事案を遠い国の出来事と思わず、今、我々は何をすべきか、何を準備すべきか、2014年(平成26年)の西アフリカで発生したエボラ出血熱のアウトブレイクの経験を踏まえ、取り組んでいかねばなりません。


この場をお借りしまして、現場で感染症治療に取り組む医療従事者の皆様や国立感染症研究所の専門家の皆様をはじめ、関係各方面からのご指導・ご協力をお願いいたします。

「抗微生物薬適正使用の手引き」を公開しました

薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの柱の一つである抗微生物薬の適正使用を推進するために、審議会で議論を重ねて作成された「抗微生物薬適正使用の手引き」の第一版を公開しました。

基礎疾患のない学童期以降の小児と成人を対象としたもので、急性気道感染症と急性下痢症について、抗菌薬の要否の判断を解説しています。患者への説明例やQ&Aも盛り込んでおり、診療の現場でご活用いただけますようお願いいたします。

<抗微生物薬適正使用の手引き 第一版>
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000166612.pdf


<薬剤耐性(AMR)対策について>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html


以上の情報は厚労省の感染症エクスプレスなどを参考にしています。
行政・法律の問い合わせ先
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埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1
 埼玉県保健医療部疾病対策課
 感染症・新型インフルエンザ対策担当
 TEL: 048-830-3572 ,3557 FAX: 048-830-4809
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文責・市町村予防接種担当者・医療機関向け医療保健相談
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埼玉県さいたま市中央区新都心1番地2 埼玉県立小児医療センター内
 埼玉県予防接種センター長  川野 豊(予防接種医療相談)
 TEL:048‐601-2615  FAX:048‐601-2253
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