HOME > 埼玉県予防接種センターだより(No 2016-08)
8月3日に第5回厚生科学審議会感染症部会新型インフルエンザ対策に関する小委員会を開催し、以下について審議がまとまりました。
・今後のプレパンデミックワクチンは危機管理上の重要性が高いワクチン株の備蓄
を優先すること
・平成29年度の備蓄株としてチンハイ株が優先されること
・危機管理上の重要性の高いワクチン株の製剤化を優先し、また製剤化量は10万
人分を基本とし、又は最小製剤化量とすること
・引き続き細胞培養法ワクチンにおいても臨床試験を行い、有効性・安全性を確認
すること
5月から8月にかけての夏の時期は、マダニが活動的になります。
マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を予防するためには、マダニに咬まれないようにすることが重要です。これは、SFTSだけではなく、国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。
農作業やレジャーなどで、森林や草むら、ヤブなどに入る場合には十分注意しましょう。長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくしましょう。
マダニに咬まれていることに気づいたら無理に引き抜こうとせず、医療機関(皮膚科)で処置を受けてください。また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けてください。
医師が患者をSFTSと診断した場合、直ちに届出が必要となります。これまでに、約200名の患者が報告されています。医療機関の皆様におかれましては、引き続きご協力お願いします。
<厚生労働省:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts.html
<国立感染症研究所:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html
8月20日(土)、横浜検疫所にて、施設公開を実施いたします。
横浜検疫所では、ジカウイルス感染症等の海外からの侵入防止の水際対策、輸入食品の安全性確保のための水際監視や残留農薬などの検査を行っています。広く地域住民の皆様にその業務内容をご理解いただくため、「施設公開」を実施いたします。
特に、夏休みの子どもたちには、感染症のこと、輸入食品のことなどについて、分かりやすく、楽しみながら理解してもらうため、クイズやスタンプラリー、数々の実技体験なども企画しています。
また、本年度の特別企画として、食品の安全について正しい知識や科学的なものの考え方を学んでいただくために、「科学の目で見る食品安全」と題したサイエンスカフェも開催いたします。
さらに、施設公開に限り、明治中期の創建時の面影を残した建物に、与謝野鉄幹・晶子夫妻や高浜虚子といった文人などの遺品が残る「検疫資料館」も見学ができます。
多くの皆様のご来場をお待ちしております。
<厚生労働省:平成28年度横浜検疫所施設公開について>
http://www.forth.go.jp/keneki/yokohama/01_info/pdf/.pdf
夏風邪は主に、手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)の3種類に分類されます。この中でも、全国的にヘルパンギーナが流行しています。
ヘルパンギーナは、主に乳幼児が罹患する疾患ですが、大人にも罹患します。
ウイルス性ですので抗菌薬は効きませんし、ワクチンもありません。そのため、感染予防が重要になります。感染者との濃厚な接触を避け、手洗い・うがいを徹底しましょう。
ヘルパンギーナの由来は、ドイツ語で「水疱(ヘルペス)」と「喉の炎症(アンギーナ)」であり、その名の通り、熱と口腔粘膜に水疱性の発疹があらわれることを特徴とした急性の「ウイルス性咽頭炎」です。
小児では発熱時に熱性けいれんを伴うこともあります。また、特に乳児では経口摂取が不良となった結果、脱水症に陥ることや、時に髄膜炎や心筋炎など重症化することもあるため、注意が必要です。
<国立感染症研究所 ヘルパンギーナとは>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/515-herpangina.html
<感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について ~ヘルパンギーナ~>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/・・・
流行性耳下腺炎の定点医療機関当たり報告数は減少しましたが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多くなっています。
IDWR(感染症発生動向調査週報)2016年第29週(第29号)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2016.html
以上の情報は厚労省の感染症エクスプレスなどを参考にしています。
行政・法律の問い合わせ先
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埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1
埼玉県保健医療部疾病対策課
感染症・新型インフルエンザ対策担当
TEL: 048-830-3572 ,3557 FAX: 048-830-4809
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文責・市町村予防接種担当者・医療機関向け医療保健相談
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埼玉県さいたま市岩槻区馬込2100 埼玉県立小児医療センター内
埼玉県予防接種センター長 川野 豊(予防接種医療相談)
TEL:048-758-1811 FAX:048-758-2626
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