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埼玉県予防接種センターだより (No 2019-07)

◎予防接種情報◎

◆ 不活化狂犬病ワクチン、ラビピュール筋注用

不活化狂犬病ワクチン、ラビピュール筋注用が今月末から発売されます。従来の不活化狂犬病ワクチン(アステラス→Meiji Seika)とほぼ同等の効果といわれておりますが、いくつか異なる点があり、注意が必要です。

1)筋注(従来のものは皮下注)
2)接種スケジュールが異なる。

  暴露前免疫
   従来のもの:0, 4週, 6~12カ月
   ラビピュール:0, 7, 21日 または 0, 7, 28日

  暴露後免疫
   従来のもの:0, 3, 7, 14, 30, 90日
   ラビピュール:適切な間隔をおいて4~6回

  接種日の目安
   4回接種  0(接種部位を変えて、2箇所に1回ずつ計2回)、7、21日
   5回接種  0, 3, 7, 14, 28日
   6回接種  0, 3, 7, 14, 30, 90日

3)ラビピュールの場合は咬傷等の曝露を受けた場合には、以前に暴露前免疫を完了した者であっても、必ず暴露後免疫を行うこと。(従来のものは、暴露前免疫を受けた後6箇月以上たって咬傷をうけた人は、初めて咬まれた場合と同様に接種を行う)

4)接種要注意者
ラビピュール:テトラサイクリン、ネオマイシン、アムホテリシンBに対してアレルギーを呈するおそれのある者(従来のものはカナマイシン・エリスロマイシンを含んでいる)

◎感染症情報◎

◯国内の感染症発生状況

◆ 風しんの報告が続いています

現在、風しんの報告が多く見られています。2018年は、12月30日までに2,917例の届出があり、そのうち、2,857例は7月23日以降の報告でした。2019年は、5月26日までに1,624例の報告があります。患者の多くは、昨年同様30~50代の男性で、都市圏を中心に報告されています。

◆ 手足口病が増加しています

手足口病は、主にエンテロウイルスによる夏風邪の一つです。その名の通り手や足、口(口の中、唇)に小さな水疱ができる病気です。主に子どもの病気ですが、特に乳児では経口摂取できなくなった結果、脱水症に陥ることや、ときに髄膜炎を引き起こし、稀ですが脳炎や新生児での心筋炎など重症化することもあります。複数のウイルスの型のため何度もかかることがあり、また、抗菌薬は効きません。

予防のために、感染者との濃厚な接触を避け、手洗い・うがいを徹底しましょう。

国立感染症研究所 手足口病とは

感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について ~手足口病~

◎感染症情報◎

◯海外の感染症発生状況

◆ コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています

厚生労働省では、検疫や国内での対応強化のため注意喚起を行っています。エボラ出血熱の発生地域であるコンゴ民主共和国(北キブ州及びイツリ州)及びウガンダ共和国(カセセ県)から帰国された方は、検疫官に申告するようにしてください。

2018年8月1日(現地時間)、世界保健機関(WHO)及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)保健省は、同国北東部の北キブ州において、エボラ出血熱が発生したことを発表しました。2019年6月23日までに、北キブ州とイツリ州の両州において、1,510名の死亡例を含む、2,247例の患者(確定2,153例、疑い94例)が報告されています。2018年8月8日に高リスク群に対してのワクチン接種が始まり、2019年6月23日までに135,951名がワクチンの接種を受けました。

2019年6月11日(現地時間)、WHO及びウガンダ共和国保健省は、同国西部のカセセ県において、エボラ出血熱患者が確認されたことを発表しました。同患者は、コンゴ民主共和国から帰国した家族内の発症例で、2019年6月12日までに2名の死亡例を含む、7例の患者(確定3例、疑い4例)が報告されています。このうち、生存者5名は、2019年6月13日にコンゴ民主共和国内の病院に移送されたため、ウガンダ国内の感染確定者はゼロとなっています。その後も、同国内での新たな感染症例や死亡は報告されていません。

2019年6月14日、今回のエボラ出血熱の流行に関する緊急委員会がWHOで開催されました。現段階では「国際的に懸念される公衆衛生上の危機(PHEIC)」ではない、との見解が示されました。

今回の発生地域では、反政府勢力による非人道的行為が行われており、以前より外務省から退避勧告が出されています。2019年4月18日、武装勢力による病院襲撃により、WHO職員に死傷者が出ました。

エボラ出血熱について



以上の情報は厚労省の感染症エクスプレスなどを参考にしています。

行政・法律の問い合わせ先
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埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1
  埼玉県保健医療部疾病対策課
  感染症・新型インフルエンザ対策担当
  TEL: 048-830-3572 ,3557 FAX: 048-830-4809

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文責・市町村予防接種担当者・医療機関向け医療保健相談
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埼玉県さいたま市岩槻区馬込2100 埼玉県立小児医療センター内
 埼玉県予防接種センター長  川野 豊(予防接種医療相談)
 TEL:048‐601-2200  FAX:048‐601-2201

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