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小児 肺炎球菌ワクチン

2025.12.11

ワクチンの概要 定期接種任意接種不活化ワクチン 小児高齢者

肺炎球菌によって引き起こされる感染症、特に侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)と呼ばれる肺炎球菌による髄膜炎・敗血症・菌血症・菌血症を伴う肺炎など重篤な疾患を予防するワクチンです。
日本では2012年度から定期接種となり2025年に従来の13価のワクチンからより予防効果の高い15価ワクチン(PCV15:バクニュバンス)ついで20価ワクチン(PCV20:プレベナー20)に変更されました。

接種スケジュール

基本は生後2カ月から4週間以上の間隔をあけて3回接種 3回目から60日以上の間隔をあけて通常生後12-15か月に4回目を接種。

ワクチンの種類 不活化ワクチン
定期 / 任意

定期接種(生後2か月以上5歳未満)

任意接種(5歳以上の小児、高齢者)
接種回数

生後2か月~6か月      4回
生後7か月~1歳未満   3回
1歳~2歳未満        2回
2歳~5歳未満        1回
5歳以上           1回(任意接種)

接種量 0.5 mL
商品名

バクニュバンス (15価肺炎球菌結合型ワクチン)
プレベナー20  (20価肺炎球菌結合型ワクチン)
今後新たに接種開始する場合は原則プレベナー20を使用

主な副反応

接種した部位の腫れ・発赤・しこりのほか、発熱や不機嫌はしばしば(40%前後)みられますが、通常経過観察で改善します。

予防できる病気:
肺炎球菌感染症(細菌性髄膜炎・菌血症など)

このワクチンは侵襲性肺炎球菌感染症と呼ばれる細菌性髄膜炎・菌血症・敗血症・菌血症を伴う肺炎など重篤な感染症を予防します。

細菌性髄膜炎は脳を包んでいる髄膜に細菌が感染して起こる乳幼児に多い重篤な感染症で、致命率も高く、回復した場合でも難聴・てんかん・知的障害など重度の後遺症が多くみられます。

また普通にみられる肺炎球菌による中耳炎や肺炎などにも一定の効果がみられますが、全ての肺炎球菌による感染症を予防できるわけではありません。
肺炎球菌には様々な血清型(細菌表面上の莢膜多糖のパターン)が90種類以上あり、その型が一致しないとワクチンが有効になりません。
ワクチンに含まれていない血清型による肺炎球菌感染症の増加が問題となっています。しかしかなりの割合で肺炎球菌感染症を予防できるので生後2カ月になったら必ず肺炎球菌ワクチンを接種しましょう。

主な感染経路:

感染者の咳やくしゃみなどの飛沫に含まれる細菌を吸い込んで発症します。
また肺炎球菌は症状が無くても鼻やのどの粘膜に付着して感染源となることがあります。(健康保菌者といい、保育園児などではしばしばみられます)