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帯状疱疹ワクチン

2025.12.10

ワクチンの概要任意接種定期接種生ワクチン 不活化ワクチン高齢者

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって起こる帯状疱疹を予防するワクチンです。日本では2種類のワクチンが使われています。2025年4月から定期接種化されました。

接種スケジュール

対象者は50歳以上の成人です。
生ワクチンは1回。不活化ワクチンは2か月以上の間隔をあけて2回。2種類のワクチンの特徴を下に記します。


2025年4月に開始された定期接種制度は、以下の通りです。
(自治体によって助成金額が異なるので、自己負担金については居住地の自治体に確認が必要)
・65歳を迎える方
・60~64歳で対象となる方(※1)
・2025年度から2029年度までの5年間の経過措置として、その年度内に70、75、80、85、90、95、100歳(※2)となる方も対象となります。
 ※1:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
 ※2:100歳以上の方については、2025年度に限り全員対象となります。

ワクチンの種類 生ワクチン 不活化ワクチン
製品名 乾燥弱毒生水痘ワクチン
「ビケン」
シングリックス筋注用
接種回数 1回 2回
費用目安 8,000~9,000円 40,000~50,000円
接種方法 皮下注射 筋肉内注射
副反応 少なめ 接種部位の痛み、倦怠感など
対象者 50歳以上(帯状疱疹予防として) 50歳以上
備考 免疫不全者は接種不可 免疫不全者にも接種可能

  発症予防効果 発症予防効果 推奨度
50~59歳 約70% 約90% 推奨
60~69歳 約60% 約90% 強く推奨
70歳以上 約40~50% 約85~90% 定期接種対象

主な副反応

接種部位の痛み、腫れ、発赤、嘔気・嘔吐、胸やけ、腹痛、下痢、ショック、アナフィラキシー。

予防できる病気:帯状疱疹

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって起こる帯状疱疹を予防するワクチンです。

VZVの初感染により水痘を発症しますが、その時に三叉神経節や脊髄後根神経節の神経細胞にVZVが潜伏感染し、この状態が終生維持されます。様々な要因によりVZVに対する細胞性免疫が低下した時に、VZVが再活性化し、回帰感染として帯状疱疹を発症します。ウイルスは神経支配領域に沿って増殖するため疼痛を伴い、皮疹は神経の走行に沿うように発現します。
皮疹が顕著でない場合に診断に時間がかかる場合があります。高齢になるほど、帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症率が高く長期の痛みが残りやすいため、効果が高いシングリックスを選択することが推奨されます。

主な感染経路:

水痘発症者の感染力は強力で、空気感染による自然罹患がほとんどでした。
ただし、2014年10月に水痘ワクチンが定期接種化されて以降2022年まで水痘罹患者は減少していました。
現在の若年層の多くは水痘の生ワクチンにより潜伏感染していると思われます。水痘発症歴がないまま、帯状疱疹を発症する例が今後増加することが予測されます。