HOME ▶︎ 3種混合(DPT-IPV)ワクチン
2025.12.10
3種混合ワクチンは、ジフテリア(Diphtheria)、百日せき(Pertussis)、破傷風(Tetanus)の3種類の感染症を予防するためのワクチンです。英語名の頭文字をとって、[DPT]と表記されます。
現在は定期接種として5種混合ワクチンが導入されているため、3種混合ワクチンは追加接種や特別な事情がある場合に限定されています。
定められた追加接種スケジュールはありませんが、百日せきの予防を目的として以下のように活用されています。
学童期:
乳幼児期に4回の混合ワクチン接種で免疫を獲得しますが、5~6歳以降に百日せき抗体が低下し、感染しやすくなることが知られています。行動範囲の広い学童や成人が感染源となり、乳児にうつしてしまうこともあります。そのため日本小児科学会は、5~6歳(年長時)の任意接種、および11歳時に本来の2種混合の代わりに3種混合を任意で接種することを推奨しています。
成人期:
米国では成分量を調整した成人用三種混合ワクチン(Tdap)があり、妊婦への接種が推奨されています。妊婦が接種すると百日せき抗体が胎児に移行し、生まれた直後から乳児期早期の重症百日せきを予防できるとされています。
医療従事者:
日本環境感染学会のワクチンガイドラインでは、産科・小児科で勤務する医療従事者に対し、病院内での百日せき集団発生を防ぐため、百日せき含有ワクチンの接種を推奨しています。
発熱、接種部位の発赤・腫脹・硬結がみられることがあります。多くは数日で自然に改善します。まれに、けいれんや強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあります。接種後30分は体調の変化に注意し、異常があれば医師に相談してください。
ジフテリア菌が喉に感染して起こる病気で、菌の毒素により喉に厚い膜ができて呼吸が苦しくなり、重症例では心臓の筋肉や神経に麻痺を起こし死亡することもあります。日本ではワクチンにより1999年を最後にジフテリアは報告されていません。
百日せき菌による呼吸感染症で、強い咳が数週間から数か月続くのが特徴です。特に新生児から乳児早期では重症化しやすく、呼吸が止まったり、肺炎やけいれんを起こしたりする危険があります。百日せきの抗体は5-6歳で低下することが知られ、流行は今も断続的に発生しています。
破傷風は土壌中の菌が傷口から侵入し、菌が出す毒素が神経を刺激することで全身のけいれんや筋肉の硬直、吸障害を引き起こします。一度発症すると致死率が高く、適切な治療を行っても命を落とすことがあります。汚染を伴う怪我をした場合、破傷風を発症するリスクがあるため、最終接種からの期間と怪我の汚染の程度により破傷風予防を行います。
ジフテリアや百日せきは咳やくしゃみなどによる飛沫感染で広がります。破傷風は人から人にうつることはありませんが、傷口から菌が侵入して発症します。
予防接種を推進し、埼玉県民のVPDの撲滅をめざすという趣旨のもと、小児科医はもとより、埼玉県で予防接種に関わりのある産婦人科・内科・耳鼻科などの 医師・保健師・助産師・看護師・その他コメディカルスタッフなど多くの職種の方が会員となり、埼玉県における予防接種の状況の正確な把握、多くの貴重な情 報の共有などを目指して活動をしております。
会員の皆様
彩の国 予防接種推進協議会の今後予定されている活動や事業計画についての詳細。
彩の国 予防接種推進協議会へのお問い合わせは専用のお問い合わせフォームよりお願いいたします。 予防接種に関する質問、彩の国 予防接種推進協議会にて議論してもらいたい議題などがありましたらご連絡ください。