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2025.12.12
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV2)による感染症です。
2020年1月30日にWHOにより国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態が宣言されましたが、2023年5月4日に解除されました。
日本でも2023年5月8日に5類感染症に移行しました。ウイルスが変異するので、流行を繰り返しています。
定期接種
令和6年度以降の新型コロナワクチンの接種については、個人の重症化予防により重症者を減らすことを目的とし、定期接種(B類)として実施することとなりました。 定期接種の対象者は以下の方です。
・65歳以上の方
・60歳から64歳までの一定の基礎疾患(※)を有する方
※心臓や腎臓、呼吸器の機能の障害があり身の回りの生活を極度に制限される方や、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な方。インフルエンザワクチンの定期接種の対象者と同じです。
定期接種のスケジュールは、感染症の状況やワクチンの有効性に関するデータを踏まえ、毎年秋冬に1回行うこととしています。
任意接種
<初回接種>初めて新型コロナワクチンを接種する場合
| 対象年齢 (1回目の接種時) |
ワクチン名 | 接種スケジュール |
| 生後6か月~4歳 | コミナティ(ファイザー): 有効成分を12歳以上の10分の1に減量 |
1回目の3週間後に2回目、2回目の8週間後に3回目) |
| スパイクバックス(モデルナ): 有効成分を12歳以上の2分の1に減量 |
4週間の間隔をあけて2回 | |
| 5~11歳 | コミナティ(ファイザー): 有効成分を12歳以上の3分の1に減量 スパイクバックス(モデルナ):有効成分を12歳以上の2分の1に減量 |
4週間の間隔をあけて2回 |
| 6歳以上12歳未満 | ヌバキソビッド(武田) | 3週間の間隔をあけて2回 |
| 12歳以上 | コミナティ(ファイザー) スパイクバックス(モデルナ) ダイチロナ(第一三共) ヌバキソビッド(武田) |
4週間の間隔をあけて2回 |
<初回接種>初めて新型コロナワクチンを接種する場合
| 対象年齢 | ワクチン名 | 接種スケジュール |
| 生後6か月~4歳 | コミナティ(ファイザー): 有効成分を12歳以上の10分の1に減量 |
前回接種から3か月以上あけて接種 |
| 5~11歳 | コミナティ(ファイザー): 有効成分を12歳以上の3分の1に減量 スパイクバックス(モデルナ):有効成分を12歳以上の2分の1に減量 |
前回接種から3か月以上あけて接種 |
| 12歳以上 | コミナティ(ファイザー) スパイクバックス(モデルナ) ダイチロナ(第一三共) |
前回接種から3か月以上あけて接種 |
| ヌバキソビッド(武田) | 前回接種から6か月以上あけて接種 |
定期接種の対象者以外の方や、定期接種のタイミング以外で接種する場合については、任意接種としてワクチンの接種を受けることができます。
新型コロナワクチンと他のワクチンとの同時接種については、特に医師が必要と認めた場合に可能です。また、他のワクチンとの接種間隔に制限はありません。
コミナティ(ファイザー)の副反応
| 5% 〜 | 1% 〜 5% | 〜1% 未満 | 頻度不明 | |
| 局所症状 (注射部位) |
疼痛(85.6%) 腫脹(10.3%) 発赤・紅斑 |
そう痒感、熱感、内出血、浮腫 | ||
| 精神神経系 | 頭痛(59.4%) | 浮動性めまい、嗜眠、不眠症、顔面麻痺、易刺激性、傾眠 | 錯感覚 感覚鈍麻 |
|
| 消化器 | 下痢(14.8%) | 嘔吐 | 悪心、食欲減退 | 栄養補給障害 |
| 呼吸器 | 口腔咽頭痛、 鼻閉、咳嗽 |
|||
| 筋・骨格系 | 筋肉痛(39.1%) 関節痛(25.3%) |
四肢痛、背部痛 | ||
| 皮膚 | 多汗症、発疹、寝汗、蕁麻疹 | 紅斑性皮疹 | ||
| 血液 | リンパ節症 | |||
| 免疫系 | 過敏症(発疹、そう痒症、紅斑、蕁麻疹、血管性浮腫、顔面腫脹等) | |||
| その他 | 疲労(66.0%) 悪寒(36.0%) 発熱(16.8%) |
疼痛 | 倦怠感、無力症、 インフルエンザ様症状、腋窩痛 |
急性期は発熱、咳、鼻水、咽頭痛、倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛、嗅覚・味覚異常、下痢などの症状がでます。
また、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)として、疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下などが長期にわたってみられることがあります。
2021年9月までに世界で感染が確認された人は2億2千万人、死亡者は455万人とされています。
高齢者や心臓病、糖尿病等の基礎疾患を前もって患っていた人では、重症の肺炎を引き起こすことが多いですが、20歳から50歳代の人でも呼吸器症状、高熱、下痢、味覚障害等、様々な症状が見られます。
一方、健康な人での重症例や死亡例も稀にではあるが確認されています。小児では軽症が多いとされています。しかし、小児を介した高齢者への伝播が問題視されています。
また、新型コロナワクチン接種者では後遺症の報告が少ないとされています。(Nature (2022-01-25) | DOI: 10.1038/d41586-022-00177-5)
感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに排出されるウイルスを含む飛沫、又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな状態の粒子を吸入するか、目、鼻、口に直接的に接触することにより感染します。物や指についたウイルスが目、鼻、口に接触することで感染することもあります。
・国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト
・新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A(厚労省)
・KNOW-VPD
・Nature (2022-01-25) | DOI: 10.1038/d41586-022-00177-
・予防接種に関するQ&A集(日本ワクチン産業協会)
・コミナティ
・Nature 321.2022
・Front Immunol fimmu.2024.1358725.2024
・新型コロナワクチン(製剤)に関するご質問への回答(厚労省)
・Nature (2022-01-11) | DOI: 10.1038/d41586-022-00063-0
Q1:ワクチンを接種すると心筋炎や心膜炎になることがありますか
A: 新型コロナ mRNA ワクチンおよび組換えタンパクワクチンにおいて接種後、頻度としては稀ですが、心筋炎や心膜炎を発症したという報告があります。特に、高齢者よりも思春期や若年成人に、女性よりも男性に、より多く報告されています。ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎が疑われた報告の頻度やその重症度、死亡の報告頻度よりも、新型コロナウイルスに自然感染した場合のそれらの発症頻度は高く、重症化率が高くなります。
Q2:新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種することはできますか
A:医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができるようになりました。なお、海外では成人用の三種混合ワクチン(Tdap、わが国では使用されていない)との同時接種で免疫反応の遅延が報告されています。
Q3:変異株ワクチンにも追加免疫の効果はありますか
A:2024 年 8 月現在、一定の有効性が期待されています。
また、感染後あるいはワクチン接種から時間がたつにつれ、抗体レベルは低下しますが、T細胞レベルには、抗体ほど迅速に低下する傾向は見られません。
T細胞は、スパイクタンパク質中の部位を抗体よりもはるかに多く認識できるので、変異株であっても見逃しにくく、変異がたくさんあるような場合でも、T細胞の応答は低下しません。
オミクロン株にはT細胞が認識する部位の大部分が存在していることが分かっっており、新型コロナワクチンを接種した人や、既存の変異株に感染した人から採取したT細胞を解析し、これらがオミクロン株に応答できることも示されています。
Q4:新型コロナウイルスに感染したことのある人も、ワクチンを接種した方がよいですか
A:よいと考えます。それは、このウイルスが一度感染しても再度感染・発症する可能性があることと、自然に感染するよりもワクチン接種の方が、新型コロナウイルスに対する血中の抗体価が高くなることや、多様な変異に対する抗体の産生も報告されているからです。感染後、体調が回復していることが大前提ですが、接種を希望する際には、その治療内容や感染からの期間にかかわらずワクチンを接種することができます。ただし、この場合にも、前回の接種から一定の間隔をあける必要があります。詳細は各ワクチンの電子添文をご参照ください。
Q5:レプリコンワクチンとはどのようなものですか
A:Meiji Seika ファルマ社のワクチンは、RNAを複製する酵素(レプリカーゼ)を利用した自己増幅型mRNAワクチンであることから、レプリコンワクチンと呼ばれています。
細胞内に入ったmRNAが一時的に複製され、従来型のmRNAワクチンよりも長い時間、免疫のターゲットであるSタンパク質が作られるため、従来型のmRNAワクチンよりも強く免疫が誘導されるという特徴があります。
これまでに国内外で実施された臨床試験において、新型コロナウイルス感染症の発症予防効果が確認されており、ファイザー社のmRNAワクチンと同等以上の中和抗体価の上昇が、より長期間持続することが確認されています。
また、安全性については、これまでの国内外での臨床試験で約18,000人に接種されていますが、心筋炎等の重大な副反応は確認されておらず、ファイザー社のmRNAワクチンと比べて有害事象の種類や発現割合等に明確な差は認められていません。
予防接種を推進し、埼玉県民のVPDの撲滅をめざすという趣旨のもと、小児科医はもとより、埼玉県で予防接種に関わりのある産婦人科・内科・耳鼻科などの 医師・保健師・助産師・看護師・その他コメディカルスタッフなど多くの職種の方が会員となり、埼玉県における予防接種の状況の正確な把握、多くの貴重な情 報の共有などを目指して活動をしております。
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