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2025.12.10
ヒトパピローマウィルス(HPV)は、少なくとも1人の異性パートナーがいる人の生涯感染率は男性91.3%、女性84.6%です。子宮頸がん(女性)をはじめ、肛門がん(男性、女性)、膣がん(女性)などのがんや、尖圭コンジローマ(男性、女性)等、多くの病気の発生に関わっています。
特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。
HPVワクチンは、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類があります。
サーバリックスおよびガーダシルは、子宮頸がんと肛門がんを起こしやすい種類であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。
そのことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。
また肛門がんも防ぐことができます。シルガード9は、HPV16型と18型に加え、6型、11型、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。また尖圭コンジローマも防ぐことができます。
2025年8月現在、ワクチンはシルガード9の使用にほぼ移行しております。
定期接種の対象は、小学校6年生〜高校1年生の女子です。
任意接種は、サーバリックスは10歳以上に女子、ガーダシルとシルガード9は9歳以上の男女に接種できます。
これまでの臨床試験で45歳までの年齢層でワクチンの有効性が証明されています。また、全国多くの市町村で男子への公費助成を行っております。
接種部位は、上腕の三角筋に接種します。
| サーバリックス | 1ヶ月間で2回接種。初回から6ヶ月空けて3回目接種 |
| ガーダシル | 2ヶ月間で2回接種。初回から6ヶ月空けて3回目接種。 |
| シルガード 9 | 1回目を15歳未満:6ヶ月以上空けて2回接種
(※1)
1回目を15歳以上:2ヶ月間で2回接種。初回から6ヶ月空けて3回目接種 |
※1 シルガード9を合計2回の接種で完了する用法については、9〜14歳の女性を対象に臨床試験が行われ、効果と安全性が確認されたうえで薬事承認なされており、シルガード9を2回接種した9〜14歳の方における有効性は、3回接種と比べて、劣っていないことが報告されています。
発熱や接種部位の痛み・腫れ、注射の痛み・恐怖・興奮などをきっかけした失神があります。
失神は血管迷走神経反射が原因ですので、臥位の接種を考慮したり、接種後30分は背もたれのあるソファなどに座らせて経過みると良いです。
重大な副反応は極めて稀です。日本国内でワクチンを接種した人の中に痛み、運動障害、不随意運動、その他多彩な症状が報告されていますが、同様な症状はワクチンを接種していない同じ世代の女性や男性にも報告されており、因果関係は証明されていません。
また、ワクチンの中身ではなくワクチンを接種することに対する「不安」によるストレスが原因で起こる反応を「予防接種ストレス関連反応」と呼びます。
特に10歳代の女の子は予防接種に不安を持ちやすく、この反応が起こりやすいことが知られています。
厚生労働省では、この反応に対して47都道府県73医療機関に診療体制を作っています。
詳しくは、こちらのホームページ をご覧ください。(厚労省)
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関について
ヒトパピローマウイルス(HPV)は性交経験がある女性の約50%が生涯で一度は感染すると言われています。
100以上の遺伝子型があるウイルスの中で、15種類が子宮頸がんのリスクを高める「高リスク型HPV」とされています。
中でもHPV16、18型の感染は子宮頸がんの約50~70%の原因となっています。
また、HPV6、11型は、尖圭コンジローマや再発性呼吸器乳頭腫症の原因になるとされています。
多くの場合HPVに感染してもウイルスは自然に排出されてしまいますが、持続的に感染が続いた場合(平均で10年以上)、
前がん病変の状態を経て、その一部が子宮頸がんを引き起こすとされています。
また子宮頸がんだけではなく、肛門がん、膣がん、尖圭コンジローマの原因となっていると考えられています。
日本国内では毎年約10、000人が子宮頚がんを発症し、約2、700人が死亡しています。また若い女性で増加しています。
HPVは皮膚と粘膜が直接触れることによって感染します。
通常は性行為によって感染します。H P Vに感染する人はたくさんいますが、その中で持続感染する人は一部のみです。持続感染した人の一部に、子宮頸がんなどの病気が起こります。
厚生労働省 予防接種情報
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html
日本小児科学会 予防接種・感染症
https://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=22
日本産婦人科学会 産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2023
https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2023.pdf
予防接種を推進し、埼玉県民のVPDの撲滅をめざすという趣旨のもと、小児科医はもとより、埼玉県で予防接種に関わりのある産婦人科・内科・耳鼻科などの 医師・保健師・助産師・看護師・その他コメディカルスタッフなど多くの職種の方が会員となり、埼玉県における予防接種の状況の正確な把握、多くの貴重な情 報の共有などを目指して活動をしております。
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