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2025.12.10
5種混合ワクチンは、ジフテリア(Diphtheria)、百日せき(Pertussis)、破傷風(Tetanus)、ポリオ(Polio、急性灰白髄炎)、インフルエンザ菌b型(Hib)の5種類の感染症を予防するためのワクチンです。
英語名の頭文字とポリオの不活化ワクチンの英語名(inactivated polio vaccine)の略語をとって、[DPT-IPV-Hib]と表記されます。
以前は4種混合ワクチンとHibワクチンを別々に接種する必要がありましたが、2024年秋に5種混合ワクチンの導入により注射の回数が減り、お子さんと保護者の負担が軽くなりました。
定期接種の対象は、生後2か月から7歳6か月未満の小児です。
初回免疫は生後2か月から開始し、20日以上の間隔をあけて3回、その後12か月以上あけて追加1回を行います。
通常は生後12~18か月頃に追加接種が行われます。接種部位は大腿前外側部または上腕です。
母子健康手帳に沿って他のワクチンと同時に接種することが多いワクチンです。
発熱、接種部位の発赤・腫脹・硬結、機嫌不良や食欲低下がみられることがあります。多くは数日で自然に改善します。まれに、けいれんや強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあります。接種後30分は体調の変化に注意し、異常があれば医師に相談してください。
フテリア菌が喉に感染して起こる病気で、菌の毒素により喉に厚い膜ができて呼吸が苦しくなり、重症例では心臓の筋肉や神経に麻痺を起こし死亡することもあります。日本ではワクチンにより1999年を最後にジフテリアは報告されていません。
百日せき菌による呼吸感染症で、強い咳が数週間から数か月続くのが特徴です。特に新生児から乳児早期では重症化しやすく、呼吸が止まったり、肺炎やけいれんを起こしたりする危険があります。百日せきの抗体は5-6歳で低下することが知られ、流行は今も断続的に発生しています。
破傷風は土壌中の菌が傷口から侵入し、菌が出す毒素が神経を刺激することで全身のけいれんや筋肉の硬直、呼吸障害を引き起こします。発症すると致死率が高く、適切な治療を行っても命を落とすことがあります。汚染を伴う怪我をした場合、破傷風を発症するリスクがあるため、最終のワクチン接種からの期間と怪我の程度により破傷風予防を行います。
ポリオウイルスによる感染症で、経口感染により広がります。多くは軽症ですが、一部で脊髄の神経細胞が破壊され、手足の麻痺を残すことがあります。ワクチン普及により日本では野生株は根絶されていますが、海外では流行地域が残っています。
インフルエンザ菌b型という菌による感染症です。毎年冬を中心に流行するインフルエンザウイルスとは異なるものです。インフルエンザ菌は髄膜炎や敗血症などを引き起こします。日本ではワクチン導入前に年間数百例の重症例が報告されていましたが、現在は大幅に減少しました。
ジフテリアや百日せき、インフルエンザ菌は咳やくしゃみなどによる飛沫感染で広がります。ポリオは経口感染で、感染者の便を介して広がることがあります。破傷風は人から人にうつることはありませんが、傷口から菌が侵入して発症します。
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