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2018.08.10
日本国内で使用されている肺炎球菌ワクチンには「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」と「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」の二種類がありますが、一般に成人用として用いられているのはニューモバックスNPです。
ニューモバックスNPの使用対象は2歳以上で、肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い病気を持っている患者、あるいは高齢者となっています。
プレベナー13は2ヶ月以上、6歳未満の小児が対象でしたが、平成26年6月20日付けで、65歳以上の者に対する肺炎球菌による感染症の予防の効能・効果が承認されました。しかし、高齢者の定期接種としては採用されていません。
該当対象者に対して原則として1回、接種します。
平成26年10月1日から高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの定期接種が開始されました。対象は平成27年度から平成30年度までは、該当する年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる方と、60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害をもっている方、ヒト免疫不全ウイルスの感染で免疫の機能に重大な障害がある方となっています。
但し、すでに「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがある方は、定期接種の対象とはなりません
対象者:「肺炎球菌感染症(高齢者) 厚生労働省」 を参照
ワクチンの種類 | 不活化ワクチン |
定期 / 任意 | 定期接種 |
接種回数 | 1 回 |
接種量 | 0.5 mL |
商品名 | ニューモバックスNP (23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン) |
局所症状としては、接種部位の疼痛、熱感、腫脹、発赤、硬結などがあります。
全身症状としては、倦怠感、違和感,発熱、頭痛、筋肉痛などがあります。
肺炎球菌は莢膜(きょうまく)という厚い膜に覆われていているものといないものがあり、覆われているものがヒトに対して強い病原性を持ちます。
90種以上の血清型があり、そのうち10種の血清型がヒトに対して重症の感染症を起こすとされています。飛沫感染などで感染し、鼻腔や咽頭などの気道に付着し増殖しますが、病気を起こさずに自然に消滅することもあります。
またヒトの免疫や気道損傷の状態によっては、肺炎や菌血症などの感染症を起ここともあります。
肺炎球菌が気道に存在していても必ずしも病気を起こす訳ではありませんが、65歳以上の高齢者は免疫力が低下しているため、肺炎や髄膜炎、菌血症などの病気を起こすことがあります。
また風邪やインフルエンザ等で,体力が低下、あるいは呼吸器粘膜が損傷を受けると、肺炎や中耳炎などの感染症を起こし易くなります。また糖尿病や心疾患、呼吸器疾患などの慢性の病気を持っている方、癌や自己免疫疾患の治療中で免疫抑制状態にあるヒト、脾臓を摘出された方、喫煙者などは肺炎球菌感染症になり易くなっています。また市中肺炎の原因菌でもっとも多いのは肺炎球菌です。
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