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高齢者の肺炎球菌感染症は少なくありません。
肺炎による死亡者数は年間10万人を超えています。
三大生活習慣病(癌、心疾患、脳血管障害)の内で、死亡者数を独走している「癌」はともかくとして、肺炎の死亡者数は「脳血管障害」や「心疾患」の死亡者数に迫る勢いで、肺炎による死亡者のほとんどが高齢者です。
そのうちの半数近くの5万人が肺炎球菌感染症によって死亡していると推定されています。
肺炎を起こす微生物の種類は多いのですが、肺炎球菌が一番悪質です。症状も一段と厳しいものがあります。特にインフルエンザウィルスに感染した場合に、肺炎球菌による続発感染を引き起こすことが多いことも、専門化の先生の中ではよく知られています。
このワクチンは、1回の接種で肺炎球菌の23種類の型に対して免疫をつけることができます。
現在90種類以上の肺炎球菌の型が報告されていますが、この23種類の型で成人の肺炎球菌による感染症の80%以上がカバーできます。
しかし、免疫が未熟な乳幼児では、多糖体を有効成分としたこのワクチンでは必要な免疫反応を引き起こすことができません。
接種対象者は、2歳以上で肺炎球菌による重い疾患にかかる危険が高い下記のような人で、個人差はありますが、1回の接種で5年以上の効果が期待できます。
①高齢者
②脾臓の摘出手術を受けた人(保険適用あり)
③鎌状赤血球疾患、その他脾臓機能不全である人
④心疾患・呼吸器疾患の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏等の基礎疾患がある人
⑤免疫抑制の治療を予定されている人(治療まで14日以上余裕のある人)
なお初回の接種から5年以上経過した、肺炎球菌による重い疾患にかかる危険性が極めて高い方や、ワクチンによる抗体濃度が急激に低下する可能性のある方は、 再接種の対象者となっています。
ただし、1回目に注射した後、5年以内に再接種をした場合は、注射した部分が硬くなる、痛む、赤くなるなどの症状が強く出ることがあるので、 再接種の際は必要性を考慮し十分な間隔を空けるなど注意が必要です。
成人用肺炎球菌ワクチン23価の一般的な副作用として、接種後に注射部位の「腫れ」、「痛み」、「赤み」などがみられることがあります。 また発熱や筋肉痛などがみられることもありますが、これらの副作用は通常3日以内に自然に消失します。
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